読書ノート 『ボルヘス読書会』 編(☕2)
読書会概要
ボルヘスに関しての前情報ゼロ。
(ナボコフと混同してたくらい、でも有名なのは知ってる)
「ピエール・メナール、『ドン・キホーテ』の著者」について 読了
見せてもらおうか。ポストモダン文学の性能とやらを……
↓
/(^o^)\ナンジャコリャ!
しょっぱなから現実と虚構が判らなくなる。
ピエール・メナールは何人か?(名前自体はフランス)
メナールのライフワークの多くはワカランチンだが
全ての前情報ゼロで時代設定が徐々に明らかになってくるのは楽しい。
なぜドン・キホーテ(セルバンティス)が選ばれたのだろう。
完全に海外文学オタク向けである。
性悪のターバンをまいたトルコ人www
国差を意識させられる作品
(私はアンニュイを持ってるポルトガル・スペインが好き)
書き出し
歴史、真実の母。この考えは驚異的である。ウィリアム・ジェイムズの同居人であるメナールは、歴史を現実の調査ではなく、その源泉だと規定するのである。彼にとって歴史的真実とは、すでに起こったことではない。われわれが起こったと判断することである。最後の句-現在への規範で且つ教訓、そして未来への警告ーとは恥ずかしげもなく実際的である。
結局愉快な本である。今やそれは愛国的乾杯のための好機であり、文法的傍若無人さであり、豪華版の猥本である。名声は無理解の一形式、おそらくは最悪の形式である。
「考え、分析し、創ることは」と、彼は、また、わたしに書き送っている。「変わった行為ではなく、知性の正常な呼吸です。この機能のたまさかの実行を賛美し、他人の古い思想をたいせつにし、信じがたい驚きで、万能学者の考えたことを思いだすことは、われわれの無気力か野蛮さを白状することです。
あらゆる人がすべての思想をもつことができなければなりません。そして将来はきっとそうなると信じます。」
メナールは(おそらく望まずして)、新しい技術によって、停頓した未発達の読書術を豊富にしたのだ。その技術とは、意識的なアナクロニズムと、作品をちがう作者に帰属させることである。
~休憩~
〝ピエール・メナールのほとんど神聖な虔ましさ、すなわち、彼の好むところとまさに反対の考えを提出するという諦念にみちた、または皮肉なくせ〟
〝すべての人間の骨折り損を待ち受けているはかなさ〟
〝無気力か野蛮さ〟
〝薄っぺらな精神的示唆〟
雑感
他人の古い思想をたいせつにすると、他人の言葉を借りるようになるから自分で考え・分析・創ることの放棄に繋がる?
私は偉人の言葉を借りられるようになりたいんだがw
称賛によって固定された名作は鑑賞品だから分解・解剖されない?
このような文体に触れますと、自分が常に五感を頼って生きてきたのを感じますな。
でもこの文体は私的に幾何学装飾的な表現なのでプラトンよりは読めるw
「バベルの図書館」 未読